カリオロジーというファッショ

読売新聞の投稿欄で予防的歯科治療についての連鎖投稿が続いています。
最初の投稿は歯医者からのもので再石灰化を考慮した削らないですむ虫歯
の紹介と探針使用の疑問についてのものだったと記憶します。
それに続く投稿が読者からのものでやっぱり削らないでいい虫歯があるんだ
うちの子は削られてしまったという被害妄想的投稿でした。
もちろん再石灰化はあるけれど削るべきと判断された虫歯は当然削るべき
もので削らなければ全ての虫歯がなおるわけではないのです。
そのような誤解をうける歯科医の投稿に問題が無いとは言えません。
続いて投稿されたものは歯科医のもので、虫歯予防に積極的な歯医者は
皆、唾液テストをしていますなどという我田引水も甚だしいおまぬけな投稿
でした。こうした歯科医が出てくる伏線にここ数年つづいているカリオロジー
のムーブメントがあると思います。

わたしは再石灰化も唾液テストも3Mixも初期う蝕を探針で触る弊害も
理解していますし、実行もしていますがどうもカリオロジーという衣を着た
商業主義には腹立たしい気持ちでいっぱいです。
そのカリオロジーをリードしている某氏(伏せ字にするのは商業主義だから
訴訟など起こしかねないから)には唾棄すべきもの(洒落^o^)を感じます。
まず検査にかかる費用が自費になる。かなり高額だと聞く。そして検査で
得られた結果は虫歯になりやすいなりにくいかのどちらかでしかない。
じゃ、なにをするか?
なりやすい人もなりにくい人も頑張って歯みがきする。なりやすい人には
殺菌的手法を使ってでも積極的に虫歯菌を退治する。というもの。
言い切ってしまいますがなりやすい人なんて口の中をみれば大抵の歯科医は
判断できるのです。
それをわざわざ高額な検査をする。検査をしない歯科医はまゆつばだとさえ
言い切る歯科医を出現させる。殺菌的手法に用いるのはショックさえあると
いうクロロヘキシジンを使う。まかり間違えば多くの疾病から身体を防御して
いる口腔常在菌を根こそぎ失いかねない強力な殺菌薬を使う。
こんな治療が一番だとする流れはファシズム以外のなにものでもない。
多くの歯科医の基盤を揺るがす由々しき問題であると思う。
探針については、ダイアグノデントというレーザー診断器の登場で改善される
と思いますがいまの検診のシステムでは使わざるを得ない場面があるのも事実
で探針で潰してしまった部分は削って修復するしかないのが現状でもあります。
患者さんに理解していただきたいのは
平滑面の白濁(再石灰化する虫歯)と裂溝(歯の頭の部分のしわ)にできた
白濁は一緒にしてもらっては困るということです。
裂溝の表層が白濁しているということは深部に達する虫歯がある可能性大という
ことです。白い虫歯イコール治る虫歯とは言い切れません。
それよりもフッ素をもっと利用すること極端な話、飲料水への添加がもっと
論じられてよいはずです。これが一番歯科医療費を削減する手立てだと思います。
まさか日本歯科医師会が反対しているのではないでしょうな。
発癌性うんぬんの事もあるでしょうが、添加されている国では問題になっていない
と思うのですが...
追加として読売新聞投稿欄気流に唾液検査、食生活チェックによりいままで
良くならなかった虫歯が良くなったという投稿がありました。
一見すると、唾液検査までする良医により劇的効果があったように
思える投稿ですが内容を吟味すると、一番効果があったのは本人の
意識の改善によるプラークコントロールの向上だとわかります。
意識改善を促したモチベーション効果が唾液検査と食生活チェックに
あったのは明らかでその点わたしは否定しません。使うべき時には
使う必要があると思います。ただ、唾液検査する歯科医だけが良医
虫歯は治る、削る歯科医は悪医という論調に発展させようとする
カリオロジーの手法は間違いだといいたいわけです。
食事指導、適切なブラッシング指導を行って検査をしなくても良い
成果をあげている歯科医はたくさんいるからです。


補綴物維持管理料に反対

補綴物維持管理料にいまさらながら反対です。
補綴物維持管理料とは2年の保証期間を補綴物に設け、管理料を頂く代わりに2年以内に
壊れたものは、ただで治しましょうという制度です。
一見、患者さんを思っての制度に見えますが実際この弊害は患者さんに及んでいますし
懸命に一本の歯を残そうとしている歯科医に大きな負担を負わせています。
補綴物維持管理料とは診療報酬抑制策として厚生省が編み出した劣悪な制度と言えます。
では具体的に何が患者さんへの弊害か述べてみましょう。
2年間の保証期間というのは2年以内に壊れる物は歯医者のミスであるという主旨だと思うのですが
私がいままで経験してきたなかでは2年以内にとれる物の大半は歯の頭が崩壊してしまって根っこだけ
になっているものです。そうなると根っこだけになった歯はもたない(2年もたない)から
抜歯してしまおうという歯科医が増えるのは道理です。さらに歯の頭が崩壊していて根っこも短くなった
ものは抜歯の対象となるでしょう。いままでならちょっとでも可能性のある歯は保存して(抜かずに)
治療してきた歯科医も期間中に壊れる歯が増えてくる度に抜歯するかしないかの基準が厳しくなり
2年もたない可能性がある歯は抜いてしまえとなるのです。こうして残せる多くの歯が抜かれて
しまうのです。
もうひとつ大きな問題があります。ブリッジのかかっている歯を打撲などで傷めて抜かなければいけなく
なった時、2年以内の場合歯医者がそこをただで治さなくてはいけないのです。自分のミスでないもの
まで歯科医は面倒をみなくてはいけないシステムです。当然こんな場合歯科医はそれを受け入れません。
私だってそうです。歯医者が言う言葉は次のようになります。もうブリッジはできないので義歯になります
このシステムはブリッジやクラウン(冠)にあてはまるもので義歯(入れ歯)にはあてはまらないのです
入れ歯にならなくてすむものが入れ歯になって行くのです。
抜く歯の範囲が広くなることや入れ歯にされてしまう範囲が広くなることを厚生省は危惧して
そうならないよう歯科医の倫理を求めていますが技術が高く歯を残すことに長けていて
良心的な歯科医ほど補綴物維持管理料の落とし穴に泣く結果になり努力逆効果の現象が増えているのです。
私がまったく補綴物維持管理料には嫌になるよとこぼしていたら、ある歯科医に
先生のところでも補綴物維持管理料の対象で無償作成になるものってそんなに無いでしょ
だったら管理料とって点数上がってるんだからトータルでプラスでしょ、何の文句があるの。
と言われれました。
こちらが儲かるとか損をするとかの問題でなく、治療の質の後退が問題なのにトータルで、なんて
私はこうした歯医者は大嫌いです。患者を治療する物体としか考えてないからトータルでなんて
台詞が吐けるのだと思います。是非とも補綴物維持管理料は廃止して思う存分歯を残すことに専念
できる制度に変更して頂きたいと思います。
追加して言わせてもらえば、歯医者に補綴物維持管理料を強いるなら医者にも生命維持管理料を導入すれば
いいとすら思います。治療した患者が1年以内に死亡した場合治療費は返還するってどうでしょうか?
そうすれば無理な延命治療は減るのではないでしょうか?延命治療はものすごくお金がかかります。
ひとりの患者の延命治療の治療費が歯医者の年収を上回る場合も多々あると聞いています。
でも、冷静に自分が延命治療の対象になった場合と考えるとき少しでも可能性があれば治療して欲しいと
思うでしょう。つきつめれば補綴物維持管理料の問題はそれと同じなのです。
いかに矛盾をかかえた制度かお解りいただけると思います。補綴物維持管理料に反対!
声を大にして言わせていただきます。

お断り

最近、歯科治療に関して個人的な悩みの相談あるいは歯科医院の紹介を求められて
困っています。個人的な悩みは飽くまでメールの内容でしか判断できませんし
その答えに責任を持てと言われても、無料の相談ですし^0^責任は持ち兼ねます。
しかしながら折角のメールなので今まで返答してきましたが、今後その類のメール
にはお答えできません。このWEBに関する質問に限らせていただきます。
個人的な質問にはすげなく
「お答えできません」というメールを送らせていただきます。悪しからず。
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